FX経済指標スケジュール 【2011年5月20日】

前回の米ドル/円為替相場の動き

昨日の米ドル/円相場は、東京市場序盤に発表された、日本の第１四半期実質国内総生産(GDP)が市場予想よりも悪化したことを受けて、円売りが優勢となり、欧州市場にかけて軟化しました。


欧州市場に入ると、英フィナンシャル・タイムズ紙のドイツ版が、「先日行われたユーロ圏財務相会合では、ギリシャ国債の償還期限が延長された場合には、ギリシャ国債をオペレーションの担保として認めないとの発言あった」と報じ、対ユーロで米ドル買いが進むと、米ドル/円も連れて上昇しました。



NY市場序盤には、８２．００円付近まで上昇しましたが、売り注文によって上値を抑えられ、一時膠着状態となりました。また、米雇用統計の判断材料となる、米新規失業保険申請件数が市場予想よりも改善されたことを受けて、再び上昇し、一時８２．２０円付近へと続伸しました。


買い一巡後は、フィラデルフィア地区連銀製造業景況感指数が市場予想の＋２０．０を大幅に下回る＋３．９となったことや、米中古住宅販売件数などの米経済指標が悪化したことから、米景気回復の鈍化を懸念してドル売り優勢となりました。



引けにかけても、前日の流れから、高値で始まったNYダウが米指標結果を受けて反落したことが重石となり、最後は８１．５６円で終了しました。




米経済指標の悪化を受けて、米追加金融緩和策が長期化する可能性も出てきましたが、一方の日本円も、第１四半期実質GDPが悪化し、第２四半期以降もマイナス成長となる可能性があるため、方向性に乏しい展開となりそうです。


ただ、目先では、米景気先行きを見極めるために、米経済に関する情報に敏感に反応しやすくなることも予想されるため、米経済指標の発表時間帯には要注目です。

前回のユーロ/円為替相場の動き

昨日のユーロ/円相場は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を受けて、株高・商品高となった前日からの流れでリスク選好ムードとなっており、東京市場では、一時１１６．６５円付近へと上昇しました。


欧州市場に入ると、本邦第１四半期実質GDPの悪化を受けて、日経平均が下げ幅を拡大したことや、ギリシャ債務再編を巡る信用不安などを受けてリスク回避の円買いへと一転しました。



NY市場に入ると、米新規失業保険申請件数が改善したことで、米ドル買いが進むと、ユーロも連れて上昇しましたが、その後に発表された米経済指標は、軒並み市場予想を下回る結果となったことから、リスク回避の円買いが進むと、ユーロ/円にも波及し、最後は１１６．７０円で取引を終えました。




ここ数日のユーロ/円は、米経済指標の悪化や日本経済がマイナス成長となったことで、日米ともに金融緩和策の長期化が予想されるため、低金利通貨に対して、先月利上げを行ったユーロが買われやすくなりそうです。

時間	通貨	重要度	経済指標・主な行事	前回･予想	結果
*		◎	日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表	前回：0-0.1％ 予想：0-0.1％	0-0.1％
13:30			3月全産業活動指数(前月比)	前回：0.7％ 予想：-6.1％	-6.3％
15:00		△	(発表国：ドイツ) 4月生産者物価指数(ＰＰＩ)(前月比)	前回：0.4％ 予想：0.6％	1.0％
17:00			3月経常収支	前回：-65億ユーロ 予想：-72億ユーロ	-47億ユーロ
20:00		◎	4月消費者物価指数(ＣＰＩ)(前月比)	前回：1.1％ 予想：0.5％	0.3％
20:00		◎	4月消費者物価指数(ＣＰＩ)(前年同月比)	前回：3.3％ 予想：3.4％	3.3％
20:00		◎	4月消費者物価指数(ＣＰＩコア)(前月比)	前回：0.7％ 予想：0.2％	0.2％
20:00		◎	4月消費者物価指数(ＣＰＩコア)(前年同月比)	前回：1.7％ 予想：1.6％	1.6％
21:30		◎	3月小売売上高(前月比)	前回：0.4％ 予想：0.9％	0.0％
21:30		△	3月小売売上高(除自動車)(前月比)	前回：0.7％ 予想：0.7％	-0.1％
23:00		△	5月消費者信頼感(速報値)	前回：-11.6 予想：-12.0	-9.7