FX経済指標スケジュール 【2011年5月24日】

前回の米ドル/円為替相場の動き

昨日の米ドル/円相場は、欧州の高債務国を巡るユーロ懸念を背景に、対ユーロでのリスク回避のドル買いに連れて、一時８２．００円付近まで上昇しました。


欧州市場にかけては、欧州株やGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を拡大したことから、リスク回避の円買いが進み、一時８１．３５円付近まで下落しました。売り一巡後は、円を売り戻す動きから、８１．９０円付近へと反発しました。



NY市場に入ると、米経済指標の発表予定がなく、材料に乏しかったことから、小幅な値動きが続きましたが、引けにかけて発表された、HSBCの中国・製造業購買担当者景気指数(PMI)が下振れしたことで、世界の景気低迷を懸念した米ドル買い、円買いが進み、最後は８１．９９円まで上昇して取引を終えました。




欧州への財政懸念に加えて、世界の景気回復を牽引する中国の経済指標も低下したことから、リスク回避ムードが一層高まっており、有事の米ドル買い、円買いが優勢となっています。


ただ、日本円に関しては、昨日、米格付け会社ムーディーズが、２期連続でマイナス成長となった日本に対して、「国債格付けの下押し圧力になる」との見解を示しており、米ドル/円では円売りの方が優勢となる可能性があります。

前回のユーロ/円為替相場の動き

昨日のユーロ/円相場は、先週末に発表された、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるイタリア格下げや、スペイン地方選挙結果などが材料となり、東京市場ではユーロ売り優勢で、１１５円台を割り込みました。


欧州市場に入ると、独製造業・サービス業PMI速報値が大幅な下振れとなったほか、欧州株安や商品先物の軟化なども後押しし、１１３．９０円付近へと続落しました。



NY市場に入ると、ユーロ導入以来の安値となったユーロ/スイスフランで、スイス国立銀行による為替介入観測から、ユーロが反発したことが波及し、ユーロ/円でもユーロを買い戻す動きとなり、最後は１１５．２０円で取引を終えました。




ギリシャ債務問題をはじめ、スペイン財政再建の先行き不透明感、イタリア格下げやアイスランドの噴火など、次々とユーロへの信用不安が高まっているため、引き続き、下値を探る展開が予想されます。

時間	通貨	重要度	経済指標・主な行事	前回･予想	結果
15:00		△	(発表国：ドイツ) 1-3月期国内総生産(ＧＤＰ、改定値)(前期比)	前回：1.5％ 予想：1.5％	1.5％
15:00		△	(発表国：ドイツ) 1-3月期国内総生産(ＧＤＰ、改定値)(前年同期比)	前回：4.9％ 予想：4.9％	4.9％
15:45			(発表国：フランス) 5月企業景況感指数	前回：110 予想：109	107
17:00		△	(発表国：ドイツ) 5月ＩＦＯ企業景況感指数	前回：114.2 予想：113.7	114.2
18:00			3月製造業新規受注(前月比)	前回：0.5％ 予想：-1.1％	-1.8％
18:00			3月製造業新規受注(前年同月比)	前回：21.5％ 予想：12.9％	14.1％
23:00		◎	4月新築住宅販売件数(年率換算件数)	前回：30万件 予想：30万件	32.3万件
23:00		◎	4月新築住宅販売件数(前月比)	前回：11.1％ 予想：0.0％	7.3％
23:00			5月リッチモンド連銀製造業指数	前回：10 予想：9	-6